注意:別人注意(二重人格的意味で)
これだから人生止められないと思う。
世界にはなんと心踊ることがゴロゴロと転がっていることか。
知らない人間は絶対に損をしている。
突然現れて嵐のような去っていった女の言葉に俯いたまま固まってしまったスザクを横目に見ながらそんなことを思う。
本当は場所を変えて話したかったのだが、当の本人がこの調子ではどうしようもない。
なんだかディープな話になりそうだと、アーニャには先に外に出てもらった。
理由に移送をあげるとものすごい目で見られたのは、やっぱりさすがにまずかっただろうか。
結果的に自分の仕事を押し付けたわけだから。
そうはいってもアーニャは聡い子だ。
だから睨んだだけで、素直にでていってくれた。
そういえばさっき賭けにも負けたのだった。
何を要求されるのか全く想像がつかない上に、きっと今ので上乗せされたはずだ。ちょっと覚悟が必要かもしれない。
仕事といえば正直ナイトメアを使わない任務なんてそんなに楽しめるものなどないと思っていたのに、初っ端から最後の最後まで予想は裏切られっぱなしで愉快なことこの上ない。
中でもスザクの知らなかった顔をほんの数時間で展覧会のように連続してみれたのはよかった。
こんな顔もできたのかという純粋な驚きと、思ってもみなかった二面性に抱え込んでいたものの意外な人間くささ。
感情の表し方をうまく習得できてないアーニャとは違う、本来は表情豊かであることが伺えたのに自分を律するかのように無感動ぎみに振る舞っていたスザク。
覗き込んだ顔は表情を忘れてしまったかのように無表情だったけれども、これは無感動だからではない。
感情が混在しすぎて表現できなくなってしまっているのだ。
ぶわっと溢れ出た涙が全てを物語る。
とうとう感情を処理できなくなったか。
これまでずっと溜め続けてくるからこんなことになるんだ。
いい機会だと思った。
これを機に一気に整理をつけてしまうといい。
そしたら不器用な彼は、もっと楽に息ができるに違いない。
まだ出会って数ヶ月しかたっていないけれど、ジノはこの難儀な同僚を気にかけていたし、気に入っていた。
先輩なのだと自負して面倒を見てやりたくなるくらいには。
迷惑そうな顔をされても放っておけるわけがない。
気が抜けてしまった時無意識に現れる表現は迷子の子供なのだから。
それに、彼の腕の中の存在もなかなかに興味深い。
ルルーシュと、自信を持って2人も呼ぶのだから名前はそれでいいのだろう。
目をひく美貌。
優雅な微笑み。
跪きたくなる存在感。
なのにとても不安定な危うい印象を受けた。
一目見て、思考を奪われた。だがこれは恋とは違う。
ある種の庇護欲に近い。
あるいは美を保存したいという美術的物質的欲求。
スザクが彼女に抱くような感情はあいにく持ち合わせていないのだ。
スザクにとって彼女がどういった意味をもつのかまではわからないけれど、どろどろの感情に呑み込まれそうになっている彼を見ているとどうしても手をだしてしまいたくなる。
自分からそんなに苦しまなくていいではないかと。
何が受け入れられないんだろう。
素直になれば、素直に喜べばいいのに。
だって、好きで好きで好きで好きで好きで仕方ないって顔に書いてある。
何もそんな目で睨み付けなくても、そんなに憎らしくなるほどに色々考えなくても、その事実だけじゃどうして駄目だったんだろう。
だからわざと意地悪く聞いた。
「嬉しくないのか?っていうかやっぱり彼女がいたんじゃないか」
首を横に振ったスザクを少し意外に思う。
「そんな関係じゃないよ。僕はルルーシュを、彼女を許すことなどできないし、彼女にとって僕は敵だ」
「でもお前の腕の中にいるその子は、俺にはただの女の子にしか見えないけど」
スザクと呼んだのも。
飛びついたスザクの背中に手を回したのも、ただの女の子だった。
スザク、とつむいだ声はキングを糾弾していたのと本当に同じ声かと思うぐらいに甘かった。
それに意味がわからないのは、スザクがさっき彼女にとった態度だ。
誰?
もはやそれしかでてこなかった。
彼女に対してだけ突如として態度をかえたスザク。
とてもとても大切な人、そう見えたのに。
許さないと言う。
あれはおかしい。
しかも薬をつかって眠らせて。
何か、あるんだろう。
そんなことはわかる。
そしてそこに踏み入れさせてくれないことも。少なくとも、今は。
だったらまあ、軽く息をついて今の問題に集中したほうが効率的ではある。
「ルルーシュは嘘つきで、平気で人を欺くし、友達だって笑って言いながら、背に銃を突きつけるんだ」
突きつけて、どうするんだろう。
彼女が引き金を引くとでも言うんだろうか。
ジノに言わせてもらえば、彼女ができるのはせいぜいそこまでだろうと思うのだが。よくてロシアンルーレット。
だって女なんてみんなそうじゃないか。
出来もしないことばかり言って脅してくるのだ。
銃ごと抱きしめてやるのが男じゃないのか。
それが怖いというならちょっと覚悟が足りない。
それともスザクが怖いのはもっと別のことか。
「大切なものを片っ端から壊してしまうし、僕の願いを踏みにじる」
願ったものは本当にささいなことだったのに。
彼女が笑えますように。
「だから僕は奪ったんだ。たぶん、彼女の全部」
ああなんだ。
怖いのは彼女に愛されないことか。
彼女を壊して、彼女に憎まれることか。
とても、とてもとてもくだらないこと。
彼女はあんなにも愛しんでいたのに。
けれど仕方ない。
恋は盲目なのだから。
自分では何も見えやしない。
「嫌いになったのか?お前が奪って、全てをなくした彼女は彼女じゃなくなったのか?」
「わからない。わからないんだよ、ジノ。僕は……、彼女を憎まないといけないんだ」
くだらない。
最悪だ。
くだならすぎて反吐がでる。
一発殴ってやろうかと本気で思った。しなかったのは腕の中に少女がいたから、それだけだ。
嘘つきなのはスザクのほうだ。
誰も報われないそんな世界に価値があるのか。
ない。
はっきり言おう。
ない。
そんな世界なら壊してしまったほうがまだましだ。
「好きじゃだめなのか」
「駄目だ」
「永遠にそうしてるつもりか」
どんなに逆らおうと時間はながれるのに。
「ジノに何がわかるんだ」
「お前がその子が欲しいこと。その子がお前を愛してること。人を好きだっていう気持ちが幸せなこと」
「そんなに単純な話じゃないんだ」
「いいや、単純だね。スザクは複雑にしたいだけ」
可哀想な子供だ。
迷子の子供。
自分が家に住んでいたことさえ忘れてしまった。
なら家ぐらい造ったらいいのに。
「ならもらっていいか? その子」
さっと青くなった。
想像するのもくだらない、わかりきった反応だ。
「なあスザク」
必要なのは発想の転換だ。
なんでジノがこんなに他人のことに心を砕いているのか。
それは、スザクが仲間でスザクが好きだから。
単純な、ことだ。
スザクももう少し簡単になればいい。
意外な頭の硬さは厄介だ。
「憎しみはどうしようもならないのか? 時間をかけても? 許すことは絶対に?」
静かに首を振るスザクは、なのに彼女を離そうとしないのだから重傷だ。
「でも好き」
否定も肯定もなかった。
「ならその2つだけにしてしまえよ。憎いと好き以外の面倒なのは全部切り捨てて、2つぐらいだったらなんとかなるだろ」
許されないだとか、矛盾に対する抵抗だとか。
余計なものを全部削ぎ落として――だってどっちもなくせないなら、なくせるものだけなくせばいい。
「は?」
まだ言っていることの理解ができないらしいスザクにジノはもう少し続けた。
「誰も感情は1つしかもっちゃいけないなんて決めてないじゃないか。私は、あ、これオフレコな。陛下を敬愛してるけど、人間としてあまり好きじゃない。第一皇子は好きだけど若干馬鹿にしてる」
「ジノ、不敬罪に!」
「だからオフレコな。あああと勉強は面倒だけど嫌いじゃないっていうのもあるか」
「それとこれとは」
「同じだろ。好きと嫌いが同居するのは珍しいことじゃない。憎いと愛しいが一緒になることもよくあることだって。それを考えると扱いきれないというのなら、考えなければいい」
自分の言うことが正論だとは考えない。
だけどそれが正しいとか間違ってることになんの意味があるっていうんだろう。
「2つで、いいんじゃないのか?」
「むちゃくちゃだ」
「それって悪いことか?」
笑い飛ばしてやれば、気が抜けたようにスザクの肩が落ちた。
いいことだ。
気張りすぎは疲れる。
「ああもう、どうでもいいかって気分になってきた」
それはとても素晴らしいことだ。
「子供か…………。うまく使おう」
最後に呟かれた言葉は若干不穏だったけれど、ジノはスザクを促して歩き出した。
その決意が、しっかりと前を見つめて告げられたものだったから。
目覚めは随分とすっきりしたものだった。
と、いうか、いつの間に寝てしまっていたのだろうか。
よく思い出せない。
自分のそれよりも厚い肌の手が、あたたかくて気持ちがよかったので擦り寄った。
目は覚めてしまったけれども、布団の中が心地よいせいででたくない。
「ルルーシュ」
柔らかな声が呼ぶから、誘われるように瞼を押し上げた。
「すざく」
大好きな茶色のふわふわ。
耳と尻尾があったらもっとよかったのに。
抱きしめてかき回したい。
ふんわり笑ったルルーシュに、不意打ちだったせいかスザクの頬がうっすら染まった。
「起きたの? それともまだ寝てるの?」
もちろん起きているに決まっ……………て?
あれ?
何だこれ?
いやいやおかしいだろ。
ここになってようやくルルーシュは、はたと気づいた事実に飛び起きた。
「起きた?」
「………………起きた」
答えながら擦り寄った手の持ち主にいきあたって、慌てて放した。
寝ぼけるにもほどがある。
何気持ち悪いことしてるんだ――少なくとも、スザクはそう思ったに違いない。
「わ、わるい」
ルルーシュが寝ているベッドに腰掛けて、ルルーシュを見下ろしていたのは紛れもない、スザクだ。
急に起き上がってふらついた身体を支えられ、腰を引き寄せられてなんだか嫌な気分になった。
まるで女扱いされているみたいで――いや、確かに性別は女なのだが。
スザクにされると馬鹿にされているような気になる。
というのは、ずっと対等でいようと、隣に立とうとしてきたせいなんだろう。
でも今は、ずっと遠くだ。
こんなに体温を感じるほどそばにいるのに。
目覚める前、正確には意識をなくす前、確信したはずの近い距離感が、今は改めて冷静になった今、霧散してしまっていた。
何でだろう。
欲しいものに手が届かない感覚に、胸が痛くなった。
手をどけて、少し顔がきちんと見えるくらいに距離をとった。
「スザク」
聞きたいことがたくさんある。
たとえば、何でこんなとこにとか、ここはどこだとか。
眠る前の記憶が途中でとぎれているのだが、何があったんだとか。
「なんで」
「ルルーシュ」
どれから尋ねるべきかと悩みながら続けようとしていたルルーシュを、ちょっと困ったような顔をして見下ろすスザクがさえぎった。
そのくせ、言いよどむのだから何がしたいのかわからない。
「どうした?」
「いや、なんていうか、いい眺めっていえばいい眺めなんだけど」
てんてんてんと彼の視線をたどっていけば自分の身体を見下ろす形になった。
ふっくらとしたふくらみが、はだけたシャツのせいで、しっかりとさらされていた。
頭の位置が悪い。
下手に近づいているものだから、真上から谷間までばっちりだ。
なんて――。
なんて――――――。
破廉恥な格好をっ。
固まってしまったルルーシュに、スザクがそっと手をのばしてくる。
「ごめんね」
かるく直してボタンをとめる。
っていうか何に対しての謝罪だそれは。
いや、その前にこういうときは少し顔を背けたりとかするのではないのか。
何しっかり見てるんだ。
何とも思わないのか――思わないのかも。
ずっと男だと思われていたはずだし――まさかずっと知っていたなんてことはないだろう。ないに違いない。ない、はずだ。じゃないとあまりにも恥ずかしすぎる――スザクなら女の身体ぐらい見慣れていてもおかしくない。
それはおそらくルルーシュよりも魅力的な身体で、ルルーシュの身体など見ても特におもしろみもないのかもしれない。
友人としては正しいのだろうが、なんだか馬鹿にされているような気にもなって、若干落ち込む――なんて矛盾だ。
それ以前になんなんだろう。
この自然な対応は。
女だったということに対するコメントすらないのか。
ルルーシュはスザクの反応が怖くて仕方なかったのに。
だからずっと言えなくて。
軽蔑されるのを恐れて、一人で焦って、なんて滑稽な。
もうため息しかでてこない。
「俺の服は?」
どうにも素肌にシャツというのは居心地が悪い。
パンツもブラも下着はいっさいなしでスザクのものらしいシャツだけ。
何を考えてこんな格好で転がされていたのか理解に苦しむ。
着せるなら着せるでもっとしっかり着せてもらいたい。
こんな中途半端ではしたない、しかも寝崩れてみっともない格好。
脱がせたんだけど着せられなくて……とかいわれて全裸だったほうがまだ救いがあった気がする。
恥じらいもなくしっかり見て、とりあえず適当に服きせときました。みたいなことをやられては、もう浮かばれない。
「あっちにかけてあるよ」
「じゃなくて脱がせたのはお前か」
「そりゃあここは僕のうちだし、僕以外いないから。さすがにあの服は寝苦しいでしょ?」
となれば必然的に。
いや。あえて聞かなくてもわかりきったことだったか。
スザクに気遣いなど期待するほうがおかしいんだ。そうだ。
それに問題はもっと別にところに大きいのが転がっている。
「そうか。それで?」
「………へ?」
「何か言うことはないのか!?」
「え?」
え?何が?何を?
と本気でわからないらしい彼の頭を疑う。
ないのか。
本当にないのか。
何も思わないのか。
責めるなら責めればいい。
ずっと。とても長い間、だましていたのだ。
これは性別がどうのという問題ではない。
信頼を、裏切っていたのだ。
嫌われたら……、嫌われたら一週間ぐらい寝込むかもしれないけれど、悪いのは全てルルーシュだから、これ以上みっともなく追いすがるのはやめよう。
今だったらどんな批判でも受け入れてやる。
そう言い放った。
が、スザクは批判の単語に更に首をかしげただけだった。
「ああもう! 何か! 何かないのか!? 言いたいこと聞きたいこと責めたいこと殴りたいこと罵倒したいこと、その他もろもろだ!」
「なんでそんなことしなきゃいけないのか、僕には君の思考回路がわからないんだけど」
わからないのはお前のほうだ。
何を考えているのだ。
それとも何も考えてないとでも言う気か。
「ああでも言いたいことといえば」
「何だ!?」
襟をつかみ上げる勢いで詰め寄った。
気持ちが悪い。
何もないというのは気持ちが悪すぎる。
切り捨てられるにせよ、万が一、許されるにしても、言葉がなければわからない。
うやむやにして欲しくなかった――その方が都合がいいはずなのに。何故そう思ったのか、深く考えることはなかった。
「結婚しよう」
けっこんしよう。
けっこん、しよう。けっこんし、よう。けっ、こんしよ、う。けっこ………?
いつの間にエコー機能なんかついたんだろう。
何言ってるかよく聞き取れない。
というかそれは何語だろう。
結婚て。
結婚て、何だ!?
結婚:男女が夫婦になること。
男女が――ああ確かに条件はクリアしている。
夫婦………。
枢木ルルーシュ。
駄目だ。ゴロが悪い。
ならば婿養子にどうだろう。
ほら、そうすれば正式にブリタニア人に――これか!
目的はこれか。
ああどうしよう――あまりのショックに方向性がずれつつあったが、本人は全く気づいていなかった。
相変わらず突発的出来事に弱い。
一人ぐるぐるし続けて、終わりが見えないそれに、そろそろスザクのほうも顔が険しくなってくる。
こちらはプロポーズだけして返事待ちで放っておかれているのだ。
焦れもする。
突然肩をおされて視界がまわった。
弾力のあるスプリングが衝撃を分散して、背中できしむ音がする。
暖かいのは、自分の体温のせいだろう。
けれど天井は見えず、視界をスザクがさえぎっていた。
耳の横に両手をつかれ、逃げ場がなくなった。
「返事は?」
「え、あ、ま、待て。お前色々と順番がおかしいぞ? そ、それに俺としてもたいした利益はない! お前だったら、もっと他の、そうだ、リベラルな考えをもった奴だっているだろうし、お前顔は悪くないからころころっとおちる奴もいるだろ。俺なんかで妥協せずに貴族を狙ったほうがお前の利に……」
「何言ってるの? 好きだよ、結婚しよう」
なんでかな。
涙がでてきた。
とても、惨めで。
ずっとそんな目で見られていたのか。
友達だと思っていたのに。
それとも自分の友人は女と知ったとたんに手のひらを返すようなそんな軽い人間だったのか。
はじめはそう思って惨めなんだと思った。
でも、気づいた。気づいてしまった。
うれしいと思ったのが、何よりも惨めだ。
それに、今のルルーシュにスザクの気持ちを受け入れる資格はない。
だって。
「無理だ。無理だよ、スザク」
「何で?」
怒るかと思った。
けれどスザクは落ち着いていた。
惨めすぎて涙がでてきた。
それをスザクがぬぐう――あまり意味はない。
「何で泣くの?」
惨めだからだ。
惨めで情けない。
情けないのは、好きだと言われて初めて彼への恋心に気付くだなんて。
好きだと言われて心がふるえた。
それは歓喜だった。
そして貪欲な自分は言葉以上を求める。
ふざけてる。
まさか好きだとその一言に絆されたのか。
否。そんなの馬鹿にしてるにもほどがある。
それならこんなに切なくならない。
貪りつくしたいと訴えてくるのは浅ましい女の性。
押し倒して抱きしめて、全部自分のものだと主張したい。
でもそんな権利はとっくの昔に失ってしまっただろう、思い出せ。
ここですべきことは腕を引っ張って額に口づけることでも、自分もだと言って頬を染めることじゃない。
「ごめんスザク。俺の腹の中には子供がいるんだ」
「ほんと!?」
「ああ、ほん………」
言いかけた言葉は音になる前に吸い取られてしまった。
スザクが感極まったようにルルーシュの唇を奪ってしまったのだ。
しばらく事態の把握ができなかったとしてもルルーシュに非はない。
ちゅ、と軽い音がして熱がはなれた。
身体は何故か金縛りにあったかのように動かない。
「結婚しよう。すぐにしよう。あ、でも挙式は産まれてからになるのかなあ。やっぱりそれはすぐには無理かな」
ねぇどう思うルルーシュ?
と聞かれても――――。
話の跳躍の仕方についていけない。
「なんか体型かわった? って思ってたんだけど、う〜ん」
手が腹にあてられた。
じんわりと暖かくなる。
「五ヶ月でしょ。あんまりかわらないもんなんだね」
言われても信じがたいかも。
少ししっかり食べるようになったのかと思った。
などとスザクの感想はのほほんとしたものだった。
だからこそ理解できない。
「あ、ああ。個人差があるからな。というか、そうじゃなく」
そうじゃなくて。
そうじゃ、なくて。
……………そうじゃなくてなんだろう。
想像したどのパターンでもないこの展開は、もしかしたら、もしかすると、間違っていたのは前提条件ではなかろうか。
だって今スザクは五ヶ月といったのだ。
妊娠していた事実を知らなかったくせに、期間を導き出したのは何故だ。
「お、まえ……五ヶ月って」
「え? 違うの!?」
「いや、そうじゃなくて」
「いつ!? 誰!?」
聞いていない。
両肩を――おそらく自覚していない力で――つかまれた。
上から体重もかかっているような状態なのだ。
悲鳴をあげそうになったが、ぐっと近づけられた顔の迫力に思わず飲み込んでしまった。
「誰なの!? どこで。答えてルルーシュ」
「ま、まて。五ヶ月であってる。けどお前は何で五ヶ月って思ったんだ」
「………………え?」
しばらく、居心地の悪い沈黙が支配した。
十分に三分間ぐらいはお互いに探り合っていただろうか。
先に口を開いたのはルルーシュのほうだった。
「肩、痛いんだが」
このままではらちがあかないと思ったのだが、切り出し方がわからなくて、関係のないことを言ってしまった。
「あ、ごめん」
そろそろと手をどけて、スザクはそのまま押し倒していた身体も引き上げた。
向き合う。
ベッドの上で二人で正座した。
というかスザクが正座したので、つられるようにルルーシュもしてしまった。
真剣な話なので体勢としては間違ってはいないのだろうが、ベッドの上なのも微妙だし、妙に思いつめたような顔をしているのが気になった。
「スザク」
「ルルーシュ、君はそのお腹の子、誰の子だと思って産もうと思ったの? っていうかまず本当に産む気なの?」
「もちろんだ。だって俺の子だからな」
「うん。それで?」
先を促されて首をかしげた。
疑問にはきちんと答えたはずだ。
「誰の子?」
「だから、俺の子」
繰り返してやればスザクはとても複雑そうな顔になった。
「父親の話なんだけど」
「それがわからないんだ」
あっけらかんとしたの口調で――だってもういいかと思ってしまったのだ――言ってやったが、やはり衝撃が強すぎただろうか。
うつむいてしまったスザクの表情はわからない。
「心あたりが、ない? それともありすぎて」
「ありすぎてわからないなんてことあるはずないのはお前もよくわかってるだろ」
だってルルーシュは男の格好をすごしていたのだ。
だれが相手をしようと思うものか。
たとえいたとして、そう何人もいてたまるか。
「心当たりがないほうだ」
「それでよく産む気になったね」
「俺の腹の中にいるんだ。だったら俺の子だろう?」
「一人で育てる気だった?」
「当たり前だ」
他にどうしろというのだと顔をあげて言い切ったルルーシュとは対照的にスザクのほうは更に首がおちた。
そのままつぶれていってしまいそうな様子に慌てたのはルルーシュのほうだ。
「スザク?」
「なんか、自己嫌悪で死にそう」
なんだろう。この反応は。
「ルルーシュ」
………………………まさか。
え、いや、よくわからないが。
「ブラックリベリオンがおこる何日か前、君の家で夕飯をごちそうになったろ?」
唐突にはじまった昔話に過去に思いをはせてうなずく。
といっても候補はいくつかあったが。
ことあるごとによんでいたのだ。
軍にとられているのが悔しくて、意地になっていたような気もする。
ことわられてしまうことも多かったけれど。
「君がお酒をだしてきて」
わかった。スザクと会った最後の日のことだ。
酒はリヴァルにもらったものだが、どうせなら一人で飲むよりはといって、未成年だとかなんだとか主張する彼の前であけた。
なのにスザクときたら、真面目というか融通がきかないというか。
結局一人で飲んだようなものだ。
次の日までひきずることはなかったが、うるさいものだから変なピッチで飲んでしまって悪酔いしてしまった覚えがある。
あれは恥だった。
「その時僕のこと押し倒してきたことは?」
「………………………何だそれ」
「ああ、やっぱり、そこからもう覚えてないんだね」
なんだか――、嫌な展開になってきた。
「ごめん、本当にごめん。酔ってるってわかってたんだ。わかってたのに、僕は」
ばたっとつぶれた、というよりはこれは俗に言う土下座とかいうやつだろうか。
つぶれてしまいたいのはむしろルルーシュのほうだ。
今の救いはお互いに顔が見えていないことだけだろう。
「僕だって若いし、君はすごくいろっ」
「ああもういい! だまれ」
駄目だ。
もう聞くに堪えない。
事情はわかったし、これ以上は拷問だ。
しかもごめんと謝るが、どうきいても非があるのはルルーシュのほうではないか。
更に忘れてしまっているときた。
それはまあ、避妊をしなかったことに関しては同罪かもしれないが、友人だと認識していた――であろう――ルルーシュの家にくるにあたって準備しているというのもおかしな話だ。
酔っているとはいえ、自分から誘……いや違う、襲ったのだったら何かしら対策をしているととられてもおかしくない。
ついでに女だったことに驚いていない理由もわかった。
わかってしまえばこんなにくだらないこともない。
だが、自分がしでかしてしまったことだ。
自分で片をつけなければなるまい。
そうやって考えいくと。
スザクの奇妙な言動にも納得がいく。
責任か。
気づいて落ち込んだ自分に落ち込んだ。
「次の日朝早かったから、君を残して帰るのは本当に気が引けたんだけど。あー、何で帰っちゃったんだろ。違う、あんな状態の君を抱いたことが間違いだったんだ。謝ってすむ問題でもないけど」
しかも後悔しているときた。
泣いたりなどする資格はないのだけれど、身をえぐられるような痛みをはじめて知った。
「もういい。顔をあげろ」
「ルルーシュ」
「悪かった」
今度はルルーシュが頭をさげた。
どう考えてもこちらが正しい姿だ。
「お前は悪くない。悪いのは俺のほうだ。お前が責任を感じる必要はない。もしかしたら少しあと味が悪いかもしれないが、忘れてくれるとうれしい。お前がここで人生棒にふる必要はないだろう」
「え、ルルーシュ?」
「認知をしてくれとも言わないから」
「ルルーシュ!」
むりやりさえぎられて頭をあげさせられた。
スザクは、怒っていた。
同時にとても悲しそうだった。
なんでそんな顔をするのか理解できない。
「君は、君は、何を、聞いて、いたの?」
一言一言くぎりながら、ゆっくりと言う。
「どう聞いても悪いのは俺のほうだろ」
酒に酔って、その気もない人間を襲って。更にはそのことを綺麗に忘れ去って。
しかもその上、情けない、今気づいたと思っていた恋心は、自覚せず、ずっと持ち続けていたものらしい。
勢いあまって襲ってしまうくらいに。
やり方はもっと他にあっただろうに。
いや、目的がスザクを手に入れることにあるのなら、確かに効果的ではある手だ。
責任感の強いスザクがどうしようと考えるのか、わかりきったことではないか。
それが自分の意図によりそれしかないと綿密に計画されていたものだしよう。それなら責任をとれと迫るのが正しい。
だが、今回ルルーシュは全てを忘れたのだ。
そんなこと、できるはずがない。
「僕は言ったよね。好きだよって」
「ムリすることは」
「馬鹿にしないで。本気でおこるよ」
こいつにこんな顔できたのかと思った。
はじめてみた、これは本当に怒っている。
「好きだよ。信じないなら、信じるまで言い続けるだけだ。好きだよルルーシュ、君が好きだ。結婚しようって言ったのは、生半可な覚悟で言ったわけじゃないんだ」
好きだよ。
好き。
大好き。
本当に言い続ける気でいるらしい。
何度も繰り返されれば、頭が麻痺してきた。
「君は?」
それは、おそらく襲うくらいに。
「好き……だ」
「両思いだね。結婚しよう」
いろいろすっとばしていたけれど、順番もこの上ないほどおかしいけれど。
結果としては、もしかして間違ったものではないんじゃないか。
そう思ったから――いや、言い訳だ。
逃がしてやるといったのに、逃げなかったのはスザクだ。
スザクが悪いのだ。
だから、ただ欲しくて。
うなずいた。
ほんの数十分の間に事態は思いもよらないほうへと転がってしまい、なんだか疲れてしまった。まだ起き抜けだというのに。
腹がすいてないか食事にしようかというスザクにやんわりと断りを告げ、シャワーを借りた。
じゃあその間に作っておくよ。
人の意見を聞く気がないなら求めないで欲しいものだ。
おそらく自分の腹が減っていたのだろう。
ルルーシュは本当に頭のほうがパンクしそうにいっぱいだったため――スザクに比べ容量は大きいが、よく回転するために埋まっていくスピードも速い。これまで処理のほうが追いつかないということなどほとんどなかったというのに、つくづく予期しない出来事に弱いらしい。なまじほとんどの出来事を予測できてしまうため耐性がつかないのであろうが――シャワーでも浴びて頭を冷やしたかった。
それでもその優秀だと自負する頭脳が働き始めたのは、身体の記憶のままに身体を洗い、髪まで流し終わってからからだった。
なんだか、不公平だ。
最初に考えたのはそんなことだった。
不公平だ。
何がって記憶の話だ。
だってルルーシュにはスザクと抱き合った記憶がない。
スザクにはしっかりあるらしいのに。
それは酒で勝手に記憶を飛ばした己に否があることだとわかってはいるが。
やっぱりなんだか不公平な気がする。
いまいち実感がわかないのもよくない。
腹の子がスザクの子だと知ってルルーシュは安心したし歓喜したのは事実だ。気張っていた分気が抜けた。
なんだかんだいって不安で仕方なかった、子が化け物なんかじゃなくてよかった。
スザクの子でよかった。
なんの憂いもなく愛してやれる。
けれど。
ルルーシュにしてみれば、行為の記憶がないのだからスザクの子だと言われてもすとんと入ってこなくても無理はないだろう。
勝手に独りで熱をあげて独りで勝手に妊娠したような気もして、心情的に気持ちが悪い。
スザクは愛していると言った。
それを信じると決めたからには疑う気はない。
だけども足元が不安で仕方ないのだというのは、貪欲なせいなんだろう。
今さっき気づいた鈍感な恋心のくせに、気づいた瞬間にそれ以上を求めるなどなんとおこがましい。
ああだけれども気持ちが悪い。
シャワーを止めて天井を睨んだ。
気持ちが悪い。
これはたいへんよろしくない。
ささいな気がかりが新婚生活――籍を入れるといったのだから正しいはずだ――に支障をきたすのはあまりにも物悲しいではないか。
ならば是非とも円満に解決したいところなのだが、となると何をするかは必然的に決まってくる。
さっさとしてさっさと憂いの原因を取り除いてしまうのが効率的なやり方というものだ――たいへん色気のない考え方だが、ある意味非常に男前で、そして男の、女からしてみれば無意味で鬱陶しい繊細な心の機微を理解していなかったあたり、非常に女性的でもあった。
と考えてはみたものの色仕掛けには抵抗があった。
何より女性としての自分に自信などあるわけもないし、相手は子供の姿もよく知っている幼なじみである。
それだけでもハードルが高いというのに、どうにもリヴァルの話によれば「絶対手慣れてる」らしいからルルーシュがちょっと迫ったところで落ちるとも思えなかった。
何より恥ずかしいのを押し殺して色気で迫って、笑顔で断られたら立ち直れないではないか――本気でありそうで怖い。
酒の勢いとは恐ろしいものだ。
おそらくそれまで男と思っていた相手にどんな迫り方をしたのだろう――それともスザクのほうがそれで妥協できてしまうくらい溜まっていたのだろうか。
ざっと身体を拭いてから少し考えてから、とりあえずと出してくれたTシャツにはあえて手をつけずに、そのバスタオルを身体に巻きつけた。
もう一度酒に頼りたくなってきてしまったが、また記憶を飛ばせば意味がない。必然的に素面での特攻なのだが、こんなことを考えてる時点でまともではなかったと後で思い返した。またまともでなかったにせよ、下手に思考回路が働いているものだから尚たちが悪い。
勢い。
それが大切だ――それは間違ってはいない。いない、の、だが。
「スザク!」
ろくに髪も拭かずに飛び出していったルルーシュの行動が正しいかと問われれば、首をかしげない者がどれほどいるだろうか。
「あがったの? ルルーシュ……って」
くるっと振り返ったスザクもさすがに一瞬止まる。
もちろん一瞬だけだ。
それも濡れた髪の張り付いた首に目を奪われたなどなどの理由ではないところはさすが幼なじみと言いたい。
「なんて格好してるの君。下着は洗ったの置いてたでしょう? シャツは僕のだから大きいとは思うけど、何か買ってくるからそれまで」
どちらかといえばあきれた様子で続いていく言葉を、ルルーシュはつかつかつかと歩みよって胸ぐらを掴むことで止めた。
そのまま寝室のほうに引っ張る。
「え、何どうしたの?」
ルルーシュの奇行について行けずきょとんとなされるがままのスザクにルルーシュは一言、言い放った。
「やるぞ」
簡潔に、一言。
「え、何を?」
もちろんスザクがわからなくても罪はない。
が言って逃げられても困るので、黙って寝室に連れ込んだ。
ベッドに投げるように手を放したのだが、嫌な男だ、よろめきもしなかった。
どうやらルルーシュの行動の理由がわからないからのこのことついてきてみた、というところらしい。
若干むかっときながら、だが仕方ない。基礎体力が違うのだ。
そもそも身体の構造も違うに違いない。
スザクをベッドに座らせて、覆いかぶさるように押し倒した。
「スザク」
押し倒した状態で笑ってやる。
バスタオルは簡単に下におちていった。
「ちょ、やるって、まさか」
「この体勢からやることなんて一つだろう。今更何言ってる」
「ちょっと、ちょっと待って」
馬乗りになってボタンに手をかけるルルーシュをスザクがあわててとめる。
しっかりつかまれた手が動かないことにルルーシュは眉を寄せた。
やっぱり抵抗するのか。
「何だ。嫌なのか?」
ここでポイントとなるのは、スザクが本気で――いや、本気じゃなくてもある程度――抵抗すればルルーシュには何もできないというところだ。
そもそもお互いの同意の元に行われるべき行為であれば、無理強いはできないものであるが、夫婦になるのならば当然の行為でもある。
が、仮にも妻になろうという女が裸で自分の上にのっているのにそれを止めるのか。
「嫌っていうか、シャワーを浴びてる短い時間の間に一体君に何があったっていうの」
聞いてくるスザクは手を放さない。
だから渋々とルルーシュも口を開く。
もとから雰囲気も何もあったもんじゃないが、それでもこの状態で長い時間がたてば白けてしまうのは必至。
「不公平だ、と思った。お前が覚えてるのに俺が覚えてないのは不公平だ」
「それはっ」
「まあ俺が勝手に忘れたんだから、俺が悪いんだろうな。でもした覚えがないのに子供ができてるのは気持ちが悪すぎる。だから」
協力しろと。
声高に言い放ったルルーシュは、次の瞬間耳を疑った。
「いやだ」
耳も疑ったし目も疑った。
現実を疑って、自分も疑った。
この後に及んでその言葉はどういう意味をもつのか。
こういった状態で女に恥をかかせるのは最低なんじゃないのか。
ぽつりぽつりと言いたいことが浮んでは消えていくが、あまりのショックに言葉がでなかった。
ルルーシュが固まっている間に、スザクはおもむろに体勢をかえる。
起き上がってルルーシュをひょいとかかえてくるりと回した。
後ろから抱きかかえるような体勢をとる。
これじゃあルルーシュからは何もできない。
拘束されているような体勢に、本当に付き合ってくれる気はないらしい。
やっぱり。
やっぱり色気が必要なんだろうか。
胸だろうか。
胸がないせいだろうか。
どうしよう。
出直せといわれるのだろうか。
でも経験値のないルルーシュにはどうしていいのかなんてわからないのに。
ぐるぐると考え出したルルーシュの腹をスザクがなでた。
「なんでだ」
「だって君、お腹に子供がいるんだよ」
怖いじゃないかとスザクは言う。
「それがなんなんだ」
「激しい運動は駄目でしょ」
ひょうひょうとスザクは言うが、いいように扱われてとても悲しくなる。
あるいは拗ねたくなったとも言う。
布団をかぶって拒絶してしまいたい。
しっかりと抱え込まれて動けないのだけれど。
「適度に運動すべきだって書いてあったし、それにセックスは別にかまわないって」
本から得た知識を告げるとあははとスザクが笑った。
ルルーシュの気分は急降下していくのに、この底抜けに明るい笑いはなんだろう。
馬鹿にしているのだろうか。
「馬鹿してるの?」
これはスザクのセリフだ。
ルルーシュじゃない。
「何が言いたい?」
「適度? 何それ。今抱いたら絶対とまらないよ。抱きつぶす」
当たり前のことのように言われて。
どうすればいいのか途方にくれることになった。
というかそれは、自信をもっていうことなのか。
いたわっておだやかにしようという気は一切ないってどういうことだ。
愛ってなんだったっけと、どうにも遠い目になってしまった。
スザクは一人で幸せそうにルルーシュの腹を触ってる。
その手をつねってみたが、痛いの一言もなかった。
不条理だ。
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【言い訳】(反転)
なんというか。え〜本当にすいません。言い訳しなきゃいけないことがたくさんあったはず、なの、です、が。あまりの長さに忘れました(え)←マジ
ああ、そうだ。ロロのフォロー…………は、おまけにて。だって本文ここで終わったほうがきれいなんじゃないかって(どこがだ)
最初から最後までルルーシュがかわいそうでした。すばらしいことです(待て)
この話のコンセプトは「何も解決しない」なので、私としては目標を達成したつもりです。何故ならこの2,3年後にルルーシュの反逆が再会されるから!1年後だとちょっと子供が小さすぎるので自重。ということで解決して大円満だと困るんです。まあ、続きを書くかといわれればR2の流れ次第なわけですが。
以下のおまけはロロのフォロー以外は、ふざけた話です。友人と笑いながら話してた小ネタなので、ある意味別物として読んでいただければと思います
前回にもまして蛇足なので注意してください。
追記:おまけ2を追加しました。こちらは真っ当に本編の補足、というか、今後の展開です。以上の本編を読んで「は? ふざけんな。納得いかねー。何でこんな中途半端なご都合主義になってんだよ」って方はどうぞお読みください。ただし違う意味で気持ち悪い話になってるので、以上のつたない文章でもある程度納得がいった人はあえて読まないほうがいいかと思います。あくまで補足ですので、いきなりCPがかわったりギャグになったり等々はしてない、と、思、います……。
おまけ
おまけ2
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